VAFサーバー AVR-800
VAFに求められる機能をコンパクトに集約
高い冗長性で分散型運用に対応
| 概要
AVR-800ファイルベース運用に対応したVAFサーバーです。 動画、静止画のFill/Key信号、音声を運用方法に合わせてシステム構築することができます。
上位APC/APSからのシリアル/パラレル送出制御を可能とし、LANによるスタンバイ状態の確認およびサムネイル、プロキシ映像を利用す ることができます。 本体には、SSD(Solid State Drive)を2台ミラー構成で搭載しており、1台のSSDが故障しても運用を継続することができます。本体に動画を2時間、音声5時間、静止画10,000枚を保存する ことができます。 オプションで動画4時間記録にも対応しています。
ベースバンド収録(HD-SDI入力)が可能なモジュールと、再生専用のモジュールとがあり、その組み合わせで、4種のモデルがあります。
必要な系統数に応じてユニット選択ができるため、柔軟にVAFシステムの構築が行えます。
電源、FANが二重化されており、十分な冗長性が確保されています。
| モデル
|AVR-800
型名 | 機能 | スロット1 | スロット2 |
AVR-800-10 | 1系統再生専用 | PB | ― |
AVR-800-11 | 2系統再生専用 | PB | PB |
AVR-800-20 | 1系統記録・プレビュ | REC/PB | ― |
AVR-800-21 | 1系統再生・1系統記録・プレビュ | REC/PB | PB |
PB:再生専用モジュール(Play Back)
REC/PB:記録と再生切り替えモジュール
| SSD記録
記録媒体にSSDを用いています。2台のSSDでRAID1(ミラーリング)を構成しています。
標準構成で、動画2時間、音声5時間、静止画10,000枚が記録できます。*1*2*3
*1:FILL+KEY 180Mbpsレート時
*2:動画、音声、静止画のエリアは独立しています
*3:動画の記録時間はオプションで4時間にも対応できます
| JPEG2000コーデック
JPEG2000コーデックを採用しており、高画質です。
| 映像、音声のアドレス制御送出
映像および音声素材を、シリアルまたはLANによるアドレス制御で送出が行えます。
| 動画の連続送出が可能
動画から動画へのシームレスな連続送出が可能です。
| 再生レベル変更機能
映像・音声の再生レベルが変更できます。 素材の属性として記録されるため、素材ごとの変更が可能です。
| モニタ出力とNEXT出力
主に動画再生を確認するMONITOR出力と、シーケンシャル送出時のNEXT出力とが独立しています。MONITOR出力はDSK機能* も備えており、Key付素材のプレビューに使用できます。素材名やタイマなどのクレジット表示も可能です。
*DSK機能はREC/PB側の出力でのみ機能します。
▲Monitor OUT表示例1(再生時) ▲Monitor OUT表示例2(DSK表示例)
| プロキシ映像プレビュー
PC上でのプロキシ映像プレビューに対応。動画やロール素材をPC画面上で再生して確認することができます。Key付素材ではDSKイメー ジでの確認ができます。背景は任意の静止画または固定色(5色)を選択することが可能です。
プロキシ映像のフォーマット
ファイルフォーマット : Windows Media File(拡張子:WMV)
画角サイズ:640×360(実画像の1/3 サイズ)
フレームレート:30 fps
ビットレート:2Mbps(ビデオ)、192Kbps(オーディオ)
音声:2ch
| 主な機能
| シリアル再生制御方式
映像と音声素材、それぞれに16桁の素材コード(アドレス)を割り付けることができます。
シリアルコマンドからは、16桁の素材コードを指定することによりスタンバイ制御を行います。
同様の操作をTCP/IPソケット通信を用いて行うこともできます。※コマンド構造は独自
TCP/IPソケット通信を用いる場合は、弊社の制御ライブラリを用いることで、容易にシステムを構築をすることができます。
| IN点、OUT点の指定
動画素材の、IN点、OUT点を指定することができます。 指定のない場合は、素材の先頭がIN点、終わりがOUT点になります。 スタンバイ時はIN点の画像が出力されます。
| 連続再生機能
イベント順に、動画を連続再生させることができます。
最小イベント長は2秒です。 再生中に、次の再生イベントを変更することができます。
| Fill-Key再生タイミング調整
FillとKeyのフレーム位相を-90~+89フレームの範囲内で、イベント毎に設定可能です。
| 特殊再生
フレーム単位のコマ送り・コマ戻しが可能です。
特殊再生時には音声は再生されません。
| 静止画の切替え効果
静止画の切替え効果が選択できます。
CUT、FADE、WIPE、PUSH、SLIDE IN、SLIDE OUT(切替え時間、方向も設定可能)
動画・ロール再生への切り替え効果は、CUTのみです。
| クレジットフレーム映像の指定
任意のフレームをクレジットフレームとして登録できます。クレジットフレームは動画の内容を示すサムネイルやNEXT用画像として利用でき ます。
| ループ再生
IN点、OUT点で、動画(音声付)をループ再生できます。一時停止することなく、フレーム精度でループします。
| ロール再生
静止画素材を使用した、ロール(横、縦)再生を行えます。ロール再生スピードの設定も行えます。
| 音声レベル変更機能
出力音声レベルは素材単位で -∞、-40dB~+12dB、0.5dB単位で変更可能です。
相対レベル変更ですので、0dBで変更なしとなります。
| データ転送収録
Gigabit Ethernet経由で、映像データ、音声データを収録することができます。
システムにファイル画像変換用トランスコーダを設けることで取込速度を高速化することも可能です。
| ベースバンド(HD-SDI)収録
ベースバンドによる収録はAVR-800(-20-21)モデルで可能です。
Fill/Keyの順次収録または同時記録の選択ができます。 収録時タイムコード検知収録機能を使うことにより、Fill/Keyをフレーム精度で自動収録します。収録後のFill/Keyの位相合わせを行う必要があないため、テー プ搬入素材での収録作業の効率化が図れます。
| 音声収録
Fill信号のEmbedded Audioを8ch収録することができます。AES3idからは、2ch収録が可能です。
| システム設定
専用ツールにより、設定・確認を行うことができます。項目は以下の通りです。
・IPアドレス設定
・同期結合位相調整
・アラーム出力設定
・温度確認 ・LOG日時設定
・バージョン確認
各種設定値は不揮発メモリに保存されており、電池交換などで消失はしません。
| ログ機能
制御ログ、内部ステイタスログを内蔵のCFカードに日単位で記録します。 通常1ヶ月分のログを記録でき、外部からLAN経由でログデータを取り出すことができます。
| 時計校正機能
SNTPにより内蔵時計を校正することができます。
| 本体内蔵ドライブおよび電源交換
内蔵SSDユニットおよび電源ユニット、ファンユニットは、前面パネル内の前面部から交換可能です。
| リモート・メインテナンス
主基板のファーム・ソフトウエアと、主なFPGAのハードウエア・プログラムをLAN経由で、バージョンアップすることが可能です。 また、リモート・メインテナンスに対応していない部分のプログラムのバージョンアップも前面パネル内の前面から、基板をとりはずすことなく行えます。(一部 不可)
* バージョンアップ後は、電源の再投入が必要です。
| システムイメージ例
| 登録端末画面例/送出監視画面例
▲素材管理画面例 ▲素材PV画面例
▲送出監視画面例 ▲アラーム監視画面例
| 仕様
AVR-800 VAFサーバー (ユニット組み合わせは4モデル) | |||
ユニット名 | PB(再生用) | REC/PB (記録と再生は切替) | |
信号規格 | 映像 | HD-SDI SMPTE292M準拠 | |
音声 | HD-SDI Embedded Audio SMPTE299M準拠 AES3id準拠 (48kHz、24bit、8ch、映像と同期) |
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信号入力 | FILL/KEY IN | ― | 1系統 |
KEY IN | ― | 1系統 | |
AUDIO IN | ― | 1系統 サンプルレートコンバータ、ディエンファシスフィルタ内蔵 |
|
信号出力 | LINE FILL OUT | 1系統 2分配 (Embedded Audio) | 1系統 2分配 (Embedded Audio) |
LINE KEY OUT | 1系統 2分配 | 1系統 2分配 | |
NEXT OUT | 1系統 2分配(モニタ用)* | 1系統 2分配(モニタ用)* | |
MONITOR OUT | 1系統 2分配 (Embedded Audio) (キャラクタ/TC表示) FILL映像 |
1系統 2分配 (Embedded Audio) (キャラクタ/TC表示) FILL/KEY/DSK映像切替可能 |
|
AUDIO OUT (AES3id) |
1系統 2分配 (2ch) | 1系統 2分配 (2ch) | |
同期信号 | 信号規格 | NTSCブラックバースト(B.B)または3値SYNC 自動認識 | |
同期信号入力 | 1系統 BNCコネクタ 75Ω終端 | ||
位相調整範囲 | 縦(V):±525ライン ※すべての映像信号を同時に調整します 横(H):±4000 サンプル ※出力系統ごとに、個別に設定できます |
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制御信号入出力 | シリアル制御 | 2系統 D-Sub9ピン 制御ポート RS-422準拠 | |
パラレル制御 | 2系統 D-Sub37ピン パラレル制御入力/タリー出力ポート | ||
LAN (1000Base-T) |
2系統 映像・音声データ・制御用 | ||
1系統 ログ/SNMPエージェント/SNTPクライアント/メンテナンス用 | |||
GPI | 1系統 D-Sub 9ピン | ||
ALARM | 1系統 D-Sub 15ピン | ||
制御遅延量 | スタート制御を受けてからの再生までの遅延量は固定3.5フレーム | ||
使用条件 | 連続使用 | ||
設置環境 | 屋内 | ||
動作環境 | 5℃~40℃ 温度勾配 15℃/時間 周囲湿度 20%~90%(R.H)結露無き事 |
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外形寸法(mm) | 450(W)×420(D)×86(H) EIA ラックマウント、高さ2U ラックマウント金具、突起物を含まず |
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重量 | 約16kg | ||
電源電圧 | AC100~240V 50/60Hz 2重化電源 | ||
消費電力 | 150VA以下 |
* NEXT出力はHDサイズの1/4とした映像データを拡大出力します。本線出力として使用することはお控えください。
| ファイル仕様
圧縮方式 | 映像 | JPEG2000(非可逆圧縮) 最大180Mbps(FILL+KEY) FILL信号 4:2:2 10bit KEY信号4:0:0 8bit |
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音声 | 非圧縮 量子化:24bit、サンプリング周波数:48kHz | |||
記録媒体 | SSD 2台をRAID1(ミラーリング)構成で搭載 | |||
■ 記録容量 | ||||
記録時間 | 管理ファイル数 | 備考 | ||
動画 | 2時間 | 10,000イベント | FILL+KEY | |
音声 | 5時間 | 10,000イベント | 8chモノラル | |
静止画 | 10000枚 | 10,000イベント | FILL+KEY | |
システム画像 | 10枚 | ― | 静止画 | |
クレジット画像 | 20,000枚 | ― | 静止画10,000枚、動画10,000枚 | |
送出リスト数 | ― | 1000リスト | ||
■ 1素材長 | ||||
動画・音声素材長 | 最小 | 2秒 | ||
最大 | 30分 |
* 動画、音声、静止画の記録領域は独立しています。
* ロール素材は静止画領域を使用します。
* 記録時間は映像信号を180Mbps(FILL+KEY)で記録した場合です。
* クレジット画像は、縦横1/4に間引いた画像で、NEXT出力などに使用されます。
| システムアプリケーション
システムアプリケーションについては、弊社営業部までお問い合わせください。
VAFシステム構築に必要なソフトウエアライブラリがございます。
ライブラリの種類 | 概要 | ||
AVR制御ライブラリ | AVRの収録、ファイル登録、再生制御(LAN)、AVRの状態確認(記録容量、スタンバイ状況、監視 機能実現)などを行う為の基本ライブラリです。 | ||
画像変換ライブラリ | TARGA,PNG,TIFF,JPEG等汎用連番ファイルから、JPEG2000(AVR仕様)への 変換、またはその逆を行うライブラリです。 | ||
音声変換ライブラリ | WAV、BWF-J、AIFF、MP3等の汎用音声ファイルを、AVR用の音声データに変換するライブ ラリです。 | ||
動画ファイル変換機能 | MXF、QucickTimeなどの動画ファイルを登録 | ||
VTR制御ライブラリ | CUE UP、PLAY、STOP、REW | ||
保守ツール(標準添付アプリ) | 位相調整、ログ取得、状態確認、セルフテスト機能 |
| 背面
▲AVR-800-21
*デザイン・仕様は予告なく変更することがあります。記載の名称は各メーカーの商標または登録商標です。