緊急警報信号発生器 AEA-300/350

現用・予備の自己診断機能を持つ
緊急警報信号発生器


| 概要

本装置は、放送電波に重畳する緊急警報信号を発生する装置です。
信号規格は、電波法・無線設備規則第9条の3および郵政省告示第405号(昭和60年6月1日付)に準拠しています。放送局主調整室内の局内 設備として使用することを目的として、高信頼性を重視した設計になっています。
緊急警報信号発生器を、1系/2系の2ユニット実装した現用/予備構成となっています。また電源部も2重化されており、一方の電源だけで2台 のユニットを動作させることが可能です。


| 2重化構成

●緊急警報信号発生器を、2ユニット実装した、現用/予備構成を採用しており信頼性の向上を図っています。
●2つのユニット間で時刻データ/内部データの送受照合を行い、常時異常の有無を確認しています。
●電源部も2重化されており、一方の電源だけで2台のユニットを動作させることが可能です。


| ハードウェアシーケンスの採用

制御インターフェイス、パネル操作インターフェイス、緊急警報信号の生成、640Hz/1024HzのFSK信号発生など主要部は、すべて FPGA(Field Programmable Gate Array)と呼ばれる大規模LSIのハードウェアシーケンスで動作しています。 このため、ソフトウェアが介在しなくても、緊急警報信号を発生することが可能です。


| 安定性の高いOSの採用

CPUには、ARM-9 Coreを搭載したマイクロプロセッサを採用し、OSには安定性の高いLinuxを採用しています。
リアルタイム処理が必要とされる部分は、全てFPGAにハードウェアシーケンスとして実装されているため、LAN接続やUSBメモリアクセス など、CPUのパフォーマンスが必要とされる処理も、制約を設けずにソフトウェアに実装することが可能です。

| 停電対策

内部のリアルタイムクロックは、バッテリーによりバックアップされており、瞬停を含む長時間の電源断に対しても時刻データを保持します。ま た、各種設定は不揮発性メモリに保存されています。


| 自己診断機能/相互診断機能

ユニットごとに行う自己診断機能、または2つのユニット間で行う相互診断機能を持ちます。


| 現用/予備自動切り替え機能

現用ユニットの異常を検出して、自動的に現用系/予備系を切り替えることができます。
緊急警報信号送出中は、自動切り替えは行われません。ただし、手動での現用/予備切り替えは可能です。


| 送出/動作ログ

CPUの不揮発性メモリに、送出/動作ログを保持します。発生した年月日時分秒情報を付加して、USBメモリへ書き出す(csvファイル) ことが可能です。


| リアルタイムクロック

バッテリーバックアップ可能な、うるう年補正付きの水晶時計デバイス(リアルタイムクロック)を実装しています。 秒パルスがなくなった場合は、自動的にリアルタイムクロックに切り換わります。


| 秒パルス入力/出力

秒パルス入力部も、2重化されています。 信頼性の高いフォトMOSリレーを使った、秒パルススルー出力を装備しています。


| うるう秒/うるう年対応

秒パルスは、2種類のうるう秒方式に対応しています。
1.一定時間内に1回秒パルスが増減する(例:100秒間に101回の秒パルス)
2.1秒に2回秒パルスが入る


| リモート制御

外部からの接点制御により、種別選択、地域選択、送出開始など、必要な制御を行うためのリモート制御インターフェイスを備えています。


| ローカル機能

装置の前面パネルで、リモート制御と全く同じ制御を行うことができます。
現用側ユニットがローカル操作の場合、ローカルアラームタリーが出力されます。


| 信号確認端子

前面パネルに、源発振周波数、アナログ出力波形をオシロスコープで確認するための端子を装備しています。
640Hzと1024Hzの変化点を観測するための、ゼロクロストリガ端子も装備しています。


| アラーム機能

各種アラームを検出した場合、アラームタリーが出力されます。


| テスト用アナウンスコメント

テスト信号送出時に、緊急警報信号前後にアナウンスコメントを付加することができます。
アナウンスコメントは、取り外し可能なSDメモリカードに記録されています。
アナウンスコメントは、汎用音声ファイル(wavファイル、MP3ファイル)をサポートし、SDメモリカードは、WindowsPCで読み書 き可能なFAT形式でフォーマットされています。


| 設置局の設定

設置局の変更は、メニュー操作で行うことができます。設置局は、前面パネルの液晶表示器に表示されます。


| 各種設定

設置局設定を始め、IPアドレス、サブネットマスク、アナウンスコメントレベルなどの設定を、SDメモリにtxtファイル形式で書き出すこ とが可能です。 また、設定ファイルをSDメモリから読み込み、一連の設定を同時に再設定することも可能です。


| ブロック図


| 仕様・定格

周波数 源発信器周波数 24.576MHz±10ppm以内(自走モードの場合)
※同期信号が入力される場合は、同期信号の周波数制度に依存
ロックイン周波数 3.579545MHz±10ppm以内
※入力される同期信号のサブキャリア周波数範囲
Space周波数 640Hz±10ppm以内(源発信器周波数に依存)
Mark周波数 1024Hz±10ppm以内(源発信器周波数に依存)
アナログ
オーディオ出力
出力インピーダンス 600Ωバランス(エレクトリックバランス出力)
基準レベル AEA-300: +2dBm  AEA-350: 0dBm
ヘッドルーム +10dB以上(歪率1%以下)
SN -70dB以下
デジタル
オーディオ出力
信号規格 AES-3id
サンプリング 48KHz/20bit/ステレオ
基準レベル AEA-300: -18dBFS  AEA-350: -20dBFS
アナウンスコメント 記録媒体 SDカード SD/SDHC Class4/6
最大記録容量 4GByte(15秒ステレオ音声=約2.8MByte@wavファイル)
サンプリング 48KHz/16bit/ステレオ
ファイルフォーマット wavファイル/MP3ファイル
レベル可変範囲 ±6dB
動作環境 周囲温度・湿度 温度:5℃~40℃  湿度:20%~80%(結露しないこと)
使用条件・場所 連続使用
設置環境 室内
外形寸法(mm) 430(W)×415(D)×132(H) ラック取り付け金具、突起物は含まない
重量 約9.5kg
電源電圧 AC85V~115V(50/60Hz±1Hz)
消費電力 最大150VA

| インターフェース

オーディオ出力 本線アナログ出力 2系統 キャノン3ピン(Female) XLR-3-31
本線デジタル出力 2系統 BNC 75Ω AES-3id
1系アナログ出力 1系統 キャノン3ピン(Femal) XLR-3-31
1系デジタル出力 1系統 BNC 75Ω AES-3id
2系アナログ出力 2系統 キャノン3ピン(Female) XLR-3-31
2系デジタル出力 2系統 BNC 75Ω AES-3id
秒パルス 入力 1系統 キャノン4ピン(Male) XLR-4-32
入力インピーダンス 1KΩ以上 極性メイク/ブレイク切り替えスイッチ付き
出力 1系統 キャノン4ピン(Female)XLR-4-31 パススルー出力
同期信号 入力 1系統 BNC 75Ω/ループスルー B.B
パラレルI/F パラレル制御-1 1系統 アンフェノール36ピン
パラレル制御-2 1系統 アンフェノール24ピン
LAN 10/100Base-T 2系統(1系用/2系用) RJ-45
記録媒体 USB 2系統(1系用/2系用) TypeAコネクタ USB1.1/USB2.0
SDカードスロット 2系統(1系用/2系用) SD/SDHC Class4/6 (付属のSDカードをご使用ください)
アラーム 電源アラーム 2系統 アンフェノール14ピン

| 背面


*デザイン・仕様は予告なく変更することがあります。記載の名称は各メーカーの商標または登録商標です。



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